お久しぶりの更新となります
前回のブログで、新築を建てるときの選び方的なブログをアップしましたが
今回はリフォームの際にどういった業者さんを探せばいいのかを記事にしていきたいと思います。
自己紹介 ~住空想建築工房のこと~
私は有限会社住空想建築工房の代表を務めております田中寿一(たなかひでのぶ)と申し
ます。
弊社は平成14年に創業し、主に改装工事、リフォーム工事を得意とした工務店で
特にデザイン型改修工事を得意としております
営業範囲は北は、杜の都・仙台 南は沖縄・宮古島まで
近年はコロナの影響もあり、事業再構築補助金はじめとする、各種補助金を活用した、新装、改装工事を多数手がけております
補助金申請も私共で手掛けております
これから皆様に有益な情報をお届けしてまいりますので
どうぞよろしくお願いいたします
まずリフォームの定義ですが、大きく3つに分かれると私は考えます
1, 修理・修繕リフォーム
2, 一般リフォーム
3, 大規模リフォーム(リノベーションという事が多い)
【1,修理・修繕リフォーム】
文字通り修理や修繕を行うものです
分かりやすくいくつか例を挙げると次のようなものでしょうか?
・水漏れ(蛇口、トイレの中の糸水※糸のように少量だが水が流れ続けているもの)
・水栓交換(キッチン、浴室、洗面台 etc)
・給湯器交換
・表具交換(畳表替え、襖貼り換え、障子張り替え、網戸貼り換え)
・インターホン交換
・ウォシュレット交換
・etc
こういった工事は、1つの専門業者様で事が足りる工事がほとんどとなります
業者様を選定する際には、インターネット、チラシ、タウンページなどで、ご近所の業者さんに依頼するのが、早くて安心だと思います。
修理・修繕の時によく聞くお話があります
「作業が30分ですんだのに・・・12,000円もした!」
確かに・・・30分!12,000円高く感じます!
しかし12,000円には実はしっかりとした内容があるのでご理解いただけたら幸いです。
例として、キッチンの蛇口の水漏れを修理したとしましょう!
まず、専門業者様はお客様に訪問するために、ある程度の時間拘束を受けます
その内訳が下記のとおりです。
まずは、水漏れの具合を確認するのに訪問します
そして、必要な材料を手配します
最後に、修理するためにお客様のご都合のいい時間帯にご訪問いたします
作業をするのが30分でも、修理を行うために、かなりの時間を費やしております
しかも、プロの職人が、プロの道具を使用して修理するのですから、30分の作業でも12,000円は決して高くないことをご理解いただけたらと思います。
余談ですが、ウォシュレット、エアコンの交換は、量販店と工務店ではものすごく顕著に金額の差が出ます。
【工務店の場合】
お客様にご訪問して調査
↓
ご要望の機器の選定(カタログもしくわショールーム)
↓
商品決定まで、カタログ持参かショールーム再訪
↓
商品決定後、取り寄せ
↓
工事当日 お客様のご都合に合わせて工事日決定
【量販店の場合】
お客様が来店
↓
陳列にて商品選定
↓
工事当日(量販店から指定された日に工事日決定)
このように、量販店で依頼されるときは、お客様がご自身で足を運ばれているので陳列商品を選ぶ限りは、安くご提供されております。
なんでもいいときは量販店
こだわりたいときは工務店
この選び方が、1番最適かと思います。
【2, 一般リフォーム】
※ここでお伝えする一般リフォームの定義は下記のように考えています。
今ある機能を変えることなくリニューアルする事
ユニットバスを取り換える(位置はそのまま)
壊れた扉(建具)を取り換える(位置はそのまま)
リビングと隣り合わせの部屋をつなげる(拡張する)
このような工事が一般リフォームとして記事を書いていきます。
一般リフォームに関しては、基本的に工務店であれば全社が対応可能です。
主だった関係する職人さんを取りまとめているのが工務店です
では、どこに依頼するのがいいのか・・・
しいて言うなら、リフォーム専門の部署がある工務店がいいかもしれません、
新築工事とリフォーム工事は、同じ工事ですが、似て非なるところがありますので新築を主とした工務店さんだと、リフォーム工事は苦手かもしれないです
新築とリフォーム何が違うの?
例えばキッチンを入れ替えるにしても、新築であれば使うキッチンに合わせた、給排水の配管を仕込みますが、リフォームの場合は、今ある配管に次のキッチンを取り付けますので
取り付けられるもの、取り付けられないものがあります。もちろん工事ですので色々試行錯誤すればなんでも取り付けられますが、お金も時間も余計にかかってきますので、出来ることならリフォームに適した商材選びからするべきです。そういった内容がわかっているのが、李―フォーム専門店やリフォーム専門の部署がある会社になります。
分譲マンションだと、各マンションでリフォーム工事をするにあたって、管理規約がありますので、管理規約を厳守しながら工事を進めるのですが、場合よっては、工事の許可が下りるまで1カ月以上かかる場合があります。そういったことを知っておかないと、引っ越しに間に合わなかったりして時間を無駄に過ごす羽目になります。専門部署であれば、そういったことも熟知しておりますので、事前にトラブル回避もしてくれますし、円滑に計画を進めてくれます。
個人的な見解になりますが、この二つは気を付けたほうがいいかもしれません。
1, リフォーム会社(営業マンだけ)
2, 職人さんに直接依頼
リフォーム会社(営業会社)に関しては、現場の事を基本的に知らない可能性があります。おそろいのユニフォームや、スーツでピシッとしていて見た目は安心できるのですが、見積もりをするにしても事前にソフトに入力されている数字を並べるだけであったり、工事の内容に対してなぜその金額がいるのか把握できていない方が多いのが特徴です。
いざ工事に入ると現場がわからないので「○○という理由で追加工事費用が発生します」「○○は見ていませんので別途費用になります」このような事例が発生しやすいように思います。リフォーム工事のお見積りには現場の事を想像できる知識と経験が必要です。
職人さんに関しては、専門の仕事はプロフェッショナルなのですが、事務的なことが苦手なことが多いです、また専門以外に関しては知り合いに任せっきりなことが多いので(専門以外はわからないので・・・)、工事の取り合い(違う工種が交わるところ)の仕上げがおろそかになったり、正常に機能しなかったりします
単一工事(大工さんに棚を取り付けてもらう、クロス職人さんにクロスを貼りかえてもらう、設備屋にトイレを変えてもらう)は、1工種ですから職人さんは各々プロですから問題ありません。複合工事はリフォーム専門部署に依頼するのが望ましいです
ユニットバスを変えるなら、解体屋さん、設備屋さん、電気屋さん、住宅設備屋さん、大工さん、内装屋さんを呼ばないといけませんので、取りまとめできる業者さんが望ましいですね!(状況により大工さんと内装屋さんを呼ばなくてもいいときはあります)
結論としては工務部(現場で働く人)がある、リフォーム専門部署のある工務店もしくはリフォーム専門店がいいのではないでしょうか。
【3, 大規模リフォーム(リノベーション)】
リノベーション工事するには下記条件が必須です
1, 自社もしくは外部でも、デザイン設計が出来るか?※自社が望ましいです。
2, 過去にどれだけの物件を手掛けているか?
3, 現場監理者または監督がいるのか?
この3項目を満たせない業者さんは選定しないほうがいいかもしれません
リノベーションの際は、水廻りの場所を大きく変更したり、従前の間取りをまるまる変える事があるので、あらゆる状態を熟知、想像する必要があります。
1, デザイン設計ができるか?
リノベーションは、既存住宅の躯体だけ残してからの室内の注文住宅的なところがあります、ですからある程度好き放題できるのですが(出来ないことは次の項で説明します)
好き放題できるからこそ、予算(費用)も青天井になってしまします。
理想のお打ち合わせとしては、予算を加味しながらデザイン設計していくことが望ましいです。そのためにも自社でデザイン設計できるところなら並行して打ち合わせが進めることができます。
もちろん御指名のデザイナーさんにデザインしていただいて、工務店に工事してもらうことも可能ですが、その際に1番の注意点は、本当に工事できる内容でのデザインなのか?
住宅としての耐久性は大丈夫なのか?事細かくデザイナーさんにヒアリングする必要があります。この場合は、デザイン料+こだわりの工事ですので、それなりの費用は必要となります。
2, 過去にどれだけの物件を手掛けているか?
この項目は非常に重要です、1,は費用がかさむ可能性がありますが問題なく憧れの住まいを実現することができます
リノベーションの際には、工事ができるかどうか?工事できるけど費用が掛かるのか?かからないのか?そのようなことが盛りだくさんなのですが、経験の浅い方ではすべての課題を把握しきれません。具体的な例を何点か上げていきたいと思います
【間取り編】
木造住宅だから好きに間取りを変えることができる
残念ながら間違いです、在来工法ではどうしても移動させることができない柱があります。新築当時の構造(軸組み)は、耐震や耐力を考慮して計画されていますので、何でもかんでも柱を移動して好きにしてもいいというものではありません。構造を計算しなおしてある程度自由には出来ますが、あくまでもある程度と思っていただいたほうが良いかと・・・
木造住宅でも2×4(ツーバイフォー)に関しては、構造が壁そのものですので、間取りを変えるといったことは基本出来ないと思っていただいたほうが良いと思います
壁を取ってしまって、鉄骨で補強入れて・・・なんてことできない事はないですが
そこまでされますぅ・・・
鉄骨ALC造の住宅は比較的好きな間取りが作りやすいですね、鉄骨の柱が構造ですので柱さえ残せばお好きな間取りが作りやすいですね、ある意味一番リノベーションしやすいかもしれません。しいて言うならば木造よりは階段の位置を変更するのが難しいです
鉄筋コンクリート造(RC造)
こちらに関しては簡単に一言で言いにくいので、コンクリートの壁以外は好きにできる!
程度で思っていただくのが良いですね
このようなことを即答できることを、選択の最低限にしてください。
ここまでは間取りに関する事を書いてきましたがここからは・・・
【工事編】
ここからはマンションに関したことが多くなってきます
リノベーションと言えば、間取り変更が多いのですが、基本的に区分所有内(所有物件の範囲※玄関ドア、サッシ、バルコニーは共有)であれば、好きな間取りに変更することができます。
※管理規約によって水回りの位置を変更できない物件もありますので、ご購入の際にご確認されることをおすすめいたします。
マンションリノベーションで、一番気を付けなければいけないのが、インフラ(電気、ガス、給排水)です、
まず、電気の容量(使用できる電気の量)は勝手に大きくできません、申請しても出来ないと考えていただくのが良いです、マンションの電気容量は、マンションで決まっていてそれを各戸に分配している形となりますので、自分の家だけたくさん電気使いたい!は出来ないのです、
具体的な例として、IHコンロ、海外製食洗器、大容量エアコンなど、消費電力の多い機器が使えないことが多々あります。
※戸建ての場合は、申請して各戸容量を大きくしてもらうこともできます。
次に、ガス工事 今追い焚きが無いから、追い焚き付けたいと希望されても、追い炊き配が出来なければ追い焚きは出来ません、配管工事できないことは多々あります。
また、給湯器のサイズを多くくしたいと希望しても、電気と同じく、各戸の使用量が決まっているため給湯器のサイズを上げることはできません。
最後に給排水ですが、これが一番厄介です、正直、水道は水圧で水を出しますので、どこにでも設置できるといっても過言ではないのですが、問題は排水です!排水は、キッチン、洗濯機、洗面所、お風呂と各所にありますが、流れていく箇所は1ヶ所の為、流れるために勾配(排水配管が斜めにならないといけない)が確保できる位置しか設置できません。
これらを把握していなければ、ご希望通りの機能性も間取りも実現されません。
お打ち合わせの早い段階で、色々とご質問されるのがいいですよ!
もっとも現地確認しないとお応えできないことが多いので、現地確認後になりますが!
【現場監理者or監督編】
大規模リフォームorリノベーションともなると!
解体、電気設備、給排水設備、空調換気、弱電設備、ガス設備、住宅設備、建材設備
LGS工事、木工事、左官工事、タイル工事、クロス工事、床工事、美装工事、etc
たくさんの業者さんが現場に関与してきます、全員を指揮する人が必要です!
勝手に工事は進みません、必ず管理者がいることを確認することをおすすめいたします。
業者さんの取りまとめでなく、監理者がいることにより、現場で予期しない事、イレギュラーなことが起きた時も非常に対応早くできるので、監理者さんは必須です。
長々と書きましたが、参考になれば幸いです。