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失敗しないお店作り!プロが教える「店舗設計」からオープンまでの流れ

DATE:2025.10.01

ご無沙汰しております。
最近、お店作りをお手伝いさせていただく中で、開業までの具体的な流れがイメージできず、不安を感じていらっしゃるお客様が少なくないことに気づきました。

そこで今回は、店舗作りの全体像を掴んでいただけるよう、開業までの流れを詳しく解説していきます。

「店舗設計」と「店舗デザイン」の違い

お店作りには「店舗設計」と「店舗デザイン」、どちらも欠かせません。この2つは似ているようで、実は異なる役割を担っています。
その違いについては、これからご説明する開業までの流れの中で触れていきますね。
まずは、新店舗がオープンするまでの全体的な流れを見ていきましょう。


【新店OPENまでの14ステップ】

※飲食店、理美容店、物販店、クリニック、オフィスなど、あらゆる業態に共通する基本的な流れです。

1. 新規開業店のイメージを固める

どのようなお店にしたいのか、コンセプトを具体的に描く最初のステップです。お客様の頭の中にあるイメージを明確にしていただけるほど、理想のお店を実現しやすくなります。
※この段階で考える「お店のコンセプト」が、後々の「店舗デザイン」の土台になります。

2. 事業予算の把握

ご自身で用意できる自己資金と、金融機関からの融資を合わせた「事業に使えるお金の総額」を正確に把握します。予算は、物件取得費、開業資金(什器備品、ユニフォーム、BGM費用など)、そして内装工事費に分けられます。

3. 物件探し

お店のコンセプトや予算に合った物件を探します。良い物件はすぐに契約されてしまうことも多いため、開業したいエリアの市場調査は早めに、そして少し広めの範囲で進めておくことをお勧めします。
※物件の形状や条件によって、可能な「店舗設計」が変わってきます。

4. 店舗設計(調査編)

契約した物件で、どのようなお店が実現可能かを具体的に調査します。物件の広さはもちろん、電気、水道、ガスの容量など、専門的な調査は多岐にわたります。この調査結果が、お店のスペックの基礎となります。

5. 店舗設計(実施編)

調査内容をもとに、いわゆる「平面図」を作成します。平面図が完成すると、

  • 飲食店なら「客席が何席とれるか」「厨房はどのくらいの広さが必要か
  • 物販店なら「什器をどれだけ配置でき、何アイテム展示できるか

といった具体的なレイアウトがリアルに見えてきます。

6. 店舗デザイン(空間編)

平面図が確定したら、いよいよお店を3D(立体的)にイメージしていきます。どのような空間を演出するか、照明計画などもこの段階で進め、お店の姿をより具体的にしていきます。

7. 店舗デザイン(スタイル編)

お店の「内装の雰囲気」を決定します。例えば、木をふんだんに使ったナチュラルなスタイル、白と黒を基調としたモノクロでモダンなスタイルなど、お店のコンセプトに合わせたデザインを固めていきます。
※平面図を作成する段階で、店内の雰囲気をイメージしておくと、この後の打ち合わせがスムーズに進みます。

8. 店舗デザイン(マテリアル編)

スタイル編で決めた雰囲気に合わせて、内装に使う「素材(マテリアル)」を選定します。「天井は塗装、壁は石張り、床は天然木で」というように、お客様のご要望を詰め込み、細部までこだわっていきます。

9. 設計・デザインの完了

ここまでのステップが完了し、ようやく工事に向けた準備が整います。
※施工を依頼する工務店とは別に、設計士やデザイナーに依頼する場合は、一般的にこの段階で設計・デザイン料が発生します。

10. 実施見積もり

いよいよ、工事費用の見積もりです。これまでの打ち合わせ内容がすべて金額に反映されます。私の経験上、個人のお客様の多くは、最初の見積もりが想定よりも高額で驚かれることが多いです。しかし、ご安心ください。次のステップがあります。

11. VE(バリューエンジニアリング)による金額調整

VEとは、お店の機能性やデザイン性を大きく損なうことなく、仕様や素材を代替品などに変更してコストを調整していく作業です。予算と見積もりの差額が大きい場合は、何かを諦める決断が必要になることもあります。経験上、VEで調整できるのは見積金額の15%〜20%程度が目安です。

12. 日程調整(工程表の作成)

工事内容と見積金額にご合意いただけましたら、ご契約後、工事の準備に入ります。賃貸物件の場合は、オーナー様や管理会社へ工事内容を説明し、許可を得る必要があります。後のトラブルを防ぐためにも、重要なプロセスです。
※契約から着工までは、資材の発注や職人の手配のため、2週間〜1ヶ月程度の準備期間が必要です。

13. 着工から引き渡しまで

工事期間中も、ぜひこまめに現場へ足を運んでみてください。ご自身のお店が出来上がっていく過程を実感できるはずです。工事の進捗に合わせて、その都度打ち合わせが必要になることもあります。
オーナー様は開業準備も並行して進める必要があるため、最終的な引き渡し日の再確認など、スケジュール管理が重要になります。
※安全かつスムーズに工事を進めるため、原則として工事中に私物や備品を搬入することはできません。

14. OPEN準備〜オープン!

お引き渡し後、すぐにオープンできるわけではありません。店内の備品レイアウト、スタッフの動線確認、オペレーションの練習などを含め、最低でも2週間の準備期間を設けることをお勧めします。

可能であれば、友人や知人を招待して「プレオープン」を実施し、実践的なシミュレーションを行うと、本番のオープンがよりスムーズになるでしょう。

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